Toryooo’s blog

教員になり損ねた24歳土建屋跡取り

『貞観政要のリーダー学』から学んだこと

Howdy? トリョーです!

いままでに度肝を抜かれるリーダーにあったことがありますか?

ぼくはあります。

ぼくが大学1回生の時のバスケット部のキャプテンです。チーム全員から信頼され、ガタガタのチーム状況を立て直し、リーグ内順位最下位のチームをなんと4位にまで押し上げました。

はっきり言って、その方はバスケットこそ上手でなかったもののキャプテンのなかのキャプテン、リーダーの中のリーダーでした。そのキャプテンのようなリーダーになるために、彼やほかのリーダーの言動を取り入れて、立派な社長になります。

 

さて今回は、昔の中華を統一していた皇帝の言行録(ある方の言動や行動をまとめた記録)に注目していきます。

貞観政要とは、唐の第二代皇帝、太宗と彼を取り巻く大臣のそれぞれの言動を残した記録です。

*テンポよく読んでいただくため、敬体から常体に変更して執筆しています。

貞観政要のリーダー学

「それにしても、太宗ほどの名君でも跡継ぎの育成には失敗しているのである。口で言うほどやさしいことではないらしい。」

私はこの言葉を読んだときに雷が落ちた。無難なことを実行し続けることがいかに難しいことかを本を読んだだけで痛感したことは初めてだ。このフレーズは本書の締めのことばである。著者も理論が分かっただけでは十分でないことを要約を通じて感じたのだろう。この本を読めばだれもが、太宗がいかに優れているリーダーだったかということが分かる。「口で言うほどやさしいことではないらしい。」このことばが私がもっとも心に残ったことばである。

太宗とは

太宗がいかに名君であったか簡単に書く。太宗は一言で言うと、責任感があり自分に厳しく、民思いの懐の広いリーダーである。部下の諫言にも耳を傾け、間違いを素直に聞き入れ即直す。政治についても独断で決めようとせず、公正に登用した部下にも相談する。位が最高位なのにも関わらず、高慢でなく謙虚で毅然としている。まさにリーダーのなかのリーダーだと感じた。経営者から見て模範となる人だと確信した。なぜ本書が経営者の座右の書となるのか分かった。

帝王学

帝王学って怪しいにおいがする。」これが本書を読むまでの私の帝王学に抱く心情であった。

私が帝王学と聞いて連想することは2つ。ネオヒルズ族与沢翼氏が情報商材として帝王学のレクチャーを高額で売っていたことと、はるか昔から地位の確立されたものだけが学習していたとされる学問であるということだ。

それに、「客観的な視野を得るためにアドバイザーや顧問を採用しなさいって、外部の人の指示を仰ぐなんておかしくない?」「お金もうけをするために生まれてきた全く悪いワードだ」なんて考えていた。

しかしながら、本書を完読すると価値観が変わった。帝王学とは、「先人の言行に学ぶこと。」だ。さらに、表現力(P34, L11)を高め、政治学(P34, L16)の勉強にもなる。現在のように細分化された研究分野や単なる情報商材などではなかった。

楊端和

 リーダーといえばだれかと聞かれて、頭に浮かんだ人物がいる。名は、楊端和だ。漫画『キングダム』に登場する女性の大将軍である。彼女は100を超える部族(数万人)を従える王様で、別名を「死王」と呼ばれ恐れられている。彼女が数多くの部族を従えられる理由が2つある。ずば抜けて強いことと愛されていることだ。彼女は真正面から敵とぶつかり、勝ち、仲間にした。さらに、常に最前線で戦い、士気を高め続けた。強さゆえに数多の部族を従えられるということは理解しやすいだろう。

謙虚であれ

しかし、愛されることはなぜ重要であるのか。この本を読むまでは、あまりピンと来ていなかった。理由は、裏切られにくいからである。当然ながら、人を大事にする人は、人から大事にされることは言うまでもない。太宗は「修己治人」の考えを大事にし、わが身の振り方をとても意識したようだ。リーダーは傲慢であってはならない。リーダーは組織の人がいるからこそその地位を与えられているわけで、その椅子に偉そうに腰かけてはならない。太宗は「人間、謙虚であれ。特に上に立つ者は謙虚であれ。」と説いている。まさに楊端和は能力と人格を備えた人であった。

初心貫徹

真に重要なことは今も昔も変わらない。この本を読んで真っ先に感じたことである。今まで関わってきたリーダーから教わり、感じてきたことや自分の身をもって経験したことがこの本にも数多く存在した。これらを重んじて、物事に取り組んでいこうと考えた。

まず1つ目は、説得力のあるリーダーになる。そのためには、わが身を正す必要がある。太宗が言った。「人材登用で重要なことは、その職責に堪えられるかどうかということ。」(P139、L13)いくらリーダーになりたいといえども、リーダーになってから今にもプレッシャーに押しつぶされそうな様子ではいただけない。リーダーは組織の命を預かっている。軍のリーダーならまだしも、会社のリーダーなら命を預かってはいないのでは。大げさだと思われるかもしれないが、十分命を預かっている。社員の、社員の家族の生活が懸かっているのである。生半可な覚悟では務まらない。そのプレッシャーに打ち勝つためには、自信が必要だ。自信を得るために、自分はやってきたと言い切れる生活を行い、能力と人格を得る。

2つ目は、好調な時こそ、気を引き締める。「安きに居りて危うきを思う」(P49, L1)と書かれている。高校生のとき、バスケットの試合でとても痛い思いをした。1回戦で強豪校を破り、チームが勝利に歓喜した。下馬評では圧倒的に相手チームの方が上であった。「よし、次も勝てるぞ。こいつらに勝ったんだから。」2回戦の相手は格下だから、負けることはないであろうと私たちはたかをくくった。慢心である。傲りである。やはり負けた。それ以来、チームでは勝った後こそ気を引き締めようとした。相手がどれだけ強かろうが、どれだけ僅差で勝ったのであろうが関係ない。次を見据えて、対戦相手の情報を分析した。

最後は、感情の起伏をなくす。「上に立つものはなるべく感情を抑制する術を身につける。」(P262, L11)と書かれており、三国志で登場する劉備玄徳は寡黙、謙虚、沈着な性格だったと記されている。確かに名君と言われているリーダーは感情の起伏が穏やかだと感じる。A社長や私の高校の恩師が挙がる。どっしりと構えていて、周りもこの人がいれば崩れないと感じ、周りに余裕と安心を生み出している。感情の起伏が激しい人の周りからはどんどん人が離れていくに違いない。攻撃的で、理不尽ならばなお最悪の暴君だ。アメリカのドラマ『プリズン・ブレーク』では、まさに今最悪の暴君が登場する。ジェネラル・フランツである。都合が悪くなったら、物にあたり、悪口を言う。挙句の果てに直属の臣下から説明を求められたら、射殺した。そうすると、娘にはさようならを言われ、暗殺までされそうになった。冷静に判断するために、包容力を感じさせるために感情を抑制できるようにする。(P263, L8-9)私は嫌なことをされるとイラっとすぐしてしまう。対処法として、嫌なことがあれば深呼吸をして、相手を赤ん坊だと思うようにする。赤ん坊に何をされても恨めないので、こうすることで感情の爆発を抑えたい。

理想のリーダー

この本を読んで、理想的なリーダー像が浮かんできた。最終的には、能力がある謙虚で毅然とした潔いリーダーになる。そのためにまずは、良い人間関係を構築する。ポイントが2つある。自分には厳しく、人には寛容にすることと自分の弱みを認め、周りに相談することだ。

そして、年を重ねるにつれて、魏徴や王珪のようになる。自分の保身のためにではなくて、組織のため、リーダーのために進言できる素養と覚悟を持つ。ここで重要なことは、地位が上がったからと言って、ふんぞり返らないことと「初心・謙虚」のこころを忘れないことである。絶対に傲ってはならない。

さらに、良い意味で片上社長がいなくても、任せられるリーダーになる。そのためには、能力も追いつくことさながら、感情のセルフコントロールができないと、社長のような名君になることはできない。

  • 自分で自分を磨き続ける
  • わが身を正して人には寛容に接する
  • 自分の弱みを認めて周りに相談する
  • 初心を忘れずに謙虚であり続ける
  • 感情を抑制する

まとめ

 たくさんのお手本を参考にして、自分のものにする。私の周りには立派なリーダーが存在する。彼らを見て、何も考えないようではもったいない。これからやるべきことや学ばなければならないこと、身につけなければならないことが山ほどある。「修己治人」。反省できるときに反省を行い、己を修め続ける。当たり前のことを当たり前にすることは難しい。太宗は、その数多く当たり前のことを当たり前に行ってきた偉人である。導入部で、「まさにリーダーのなかのリーダーだと感じた。」と書いたが、太宗は人間の中の人間だと私は感じた。尊敬し、真似をする。

 

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